解雇予告について


解雇について

2014.12.26

労働基準法では,労働者を解雇しようとする場合には少なくとも30日前に解雇予告をしなければならないこと,解雇予告をしない場合には30日以上の平均賃金を支払わなければならないこと,解雇予告の日数は平均賃金を1日分支払った日数だけ短縮できることを定めています。この解雇予告に代わって支払われる平均賃金のことを解雇予告手当と呼んでいます。

 

具体的に10月31日に解雇する場合を考えてみましょう。10月1日に解雇予告をする場合には,30日前の解雇予告になりますので,解雇予告手当は不要です。10月11日に解雇予告をする場合には,20日前の解雇予告になりますので,10日分の解雇予告手当が必要となります。10月31日に解雇を告げる場合には,即日の解雇になりますので,30日分の解雇予告手当が必要になります。

 

ただし,天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合や労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合には,所轄労働基準監督署長からの除外認定を受けた上で,解雇予告手当の支払いなく即時に解雇することができます。この労働者の責に帰すべき事由については,労働者が予告期間を置かずに即時に解雇されてもやむを得ないと認められるほどに重大な服務規律違反または背信行為を意味すると考えられています。このことから,懲戒解雇が有効であっても,解雇予告が必要な場合があり得ると考えられます。

 

また,日雇労働者(雇用して1か月を超えている場合は除く),2か月以内の期間を定めて雇用された者(契約期間を超えて雇用されている場合は除く),季節的業務に4か月以内の期間を定めて雇用された者(契約期間を超えて雇用されている場合は除く),試用期間中の者(入社日から14日を超えている場合は除く)については,解雇予告は不要です。したがいまして,アルバイトやパート,派遣社員であっても解雇予告が必要な場合があります。

 

このように,解雇予告が必要か,どの程度の解雇予告手当が必要かについては,具体的な事情に基づく判断が必要になってきますので,解雇予告についてお悩みの方は是非とも当事務所までご相談ください。

以上

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